2014年06月07日【毎日新聞】見つめ続ける・大震災 「高台へ」息子と訴える 語り継ぐ命、津波犠牲者遺族

東日本大震災で津波に襲われた宮城県女川(おながわ)町の七十七銀行女川支店では12人の死者・行方不明者を出した。一部の遺族は同行を相手に「なぜ死ななければならなかったのか」を裁判で争う中、全国から支店跡地を訪れる人たちに高台に逃げる重要性と命の大切さを訴えている。

行員らは支店屋上を避難場所とした防災マニュアルに従い、支店長の指示で高さ10メートルの屋上に避難したが、最大20メートルの津波に襲われて犠牲となった。支店は海岸から約100メートルに位置するが、支店から約260メートルの場所に町指定避難場所の高台があった。近隣の金融機関の従業員らはこの高台に避難して助かっており、訴訟ではマニュアルの是非などが争点となったが、仙台地裁は「屋上への緊急避難には合理性があった」として請求を棄却、遺族側が敗訴した。

10日から始まる控訴審を前に、息子の田村健太さん(当時25歳)を失った孝行さん(53)、弘美さん(51)夫妻、姉の丹野美智子さん(同54歳)を失った礼子さん(56)、妻の高松祐子さん(同47歳)を失った康雄さん(57)は岩手県沿岸部の被災地を訪れた。仕事中に犠牲となった人の遺族や難を逃れた人と意見交換し、高台に逃げる重要性を再確認した。

岩手県陸前高田市で生存者から当時の状況を聞き、現場を視察する孝行さん(左から2人目)ら。津波は高さ14メートルのビルをのみ込んだという=岩手県陸前高田市で2014年5月、佐々木順一撮影

 

 

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引用: https://mainichi.jp/articles/20180624/org/00m/040/009000d (毎日新聞)

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