2017年07月20日【毎日新聞】大学倶楽部・専修大 災害や事故、被害者遺族が講義 法学部学生ら受講 「命から学び」
安全な社会づくりに向けた事故被害者遺族による特別講義が17日、専修大学で開かれ、法学部の約500人が訴えに耳を傾けた。
宮城県大崎市の田村孝行さん(56)は2011年3月、同県女川町の七十七銀行女川支店で勤務中だった長男健太さん(当時25歳)を東日本大震災後の津波で亡くした。上司の指示で屋上に避難後、高さ約20メートルの津波に襲われた。銀行を相手に起こした民事裁判は昨年敗訴が確定したが、両親は全国で語り部活動を続ける。「息子の命からいろんなことを学んでいる。企業防災を訴える活動を継続したい」と話した。
05年に発生した東武伊勢崎線竹ノ塚踏切(足立区)の事故で母(当時75歳)を亡くした加山圭子さん(62)は、各地の踏切事故現場に足を運び、安全対策を呼びかけている。「再び事故を起こさないことが亡くなった人の命を生かすこと」と訴え、夫宏さん(63)も「事故調査の制度がまだ整備されていない。国や企業が事故情報を広く公開することが第一だ」と話していた。
講義は飯考行(たかゆき)教授が担当する「法社会学」の一環で、津波で犠牲になった田村健太さんが専修大OBだった縁で15年から毎年開かれている。【伊藤直孝】
引用: https://mainichi.jp/univ/articles/20170719/org/00m/100/011000c (毎日新聞)