2020年03月11日【毎日新聞】息子からバトン、次代へ 悲しみ、分かち合う 御巣鷹遺族との交流、転機に

震災後の2人を撮った報道写真などを展示した新たな活動拠点を案内する田村孝行さん(奥)=宮城県松島町で2020年3月10日午後4時53分、和田大典撮影

 大きな転機は、一冊の本との出合いだった。日航ジャンボ機墜落事故で小学3年だった次男の健さんを亡くした美谷島(みやじま)邦子さん(73)が事故後の25年を振り返った「御巣鷹山と生きる」。手記には、喪失感を抱えながらも企業に原因究明や再発防止を求めて闘い、企業の姿勢を変えてきた記録があった。手紙を送ると返信があり、2015年8月8日、墜落現場の御巣鷹山を慰霊登山した。

 160回以上この山を登り続けてきたという美谷島さんは「御巣鷹に来ると元気になる。最初は『早く健ちゃんの所に行かなきゃ』って、駆けるように登っていました」と話すと、女川に足を運び続ける田村孝行さん(59)の妻弘美さん(57)も「(息子に)会えるからですよね」とうなずいた。田村さんの心に美谷島さんの次の言葉が刺さった。「ここには今、被害者も加害者も関係なく、それぞれが安全を願って登ってくる。それが3…

 

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引用: https://mainichi.jp/articles/20200311/dde/007/040/028000c (毎日新聞)

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