2020年06月26日【石巻専修大学】《図書館》ローリエ(月桂樹)で震災を伝える
図書館では東日本大震災の記憶を風化させないよう震災コーナーを設置し、震災をテーマとした図書や資料、写真等を収集しています。
震災により女川の銀行に勤務していた専修大学OBの田村健太さん(平20法・当時25歳)も津波の犠牲になりました。健太さんのご両親は、命の大切さを伝える様々な活動に取り組んでおり、その一つとして「健太いのちの農園」(松島町)にある月桂樹の葉(ローリエ)を熱湯消毒し乾燥させ、全国の方々に配布しています。現在、震災コーナー前に特別コーナーを設け、冊子やパンフレットと共にそのローリエを展示しています。料理や部屋の香りとしても適しているので、ハーブやスパイスについての本や図鑑も一緒に展示しました。
田村弘美さん(健太さんのお母様)からメッセージが寄せられましたのでご紹介します。
震災から9年がすぎてしまいました。
25歳だった息子のために親として何が出来るのか模索した日々でした。
私達は今、新しい取り組みとして、息子健太が幼いころによく遊んだ自然豊かな場所(宮城県松島町・健太母実家)で食べて元気と勇気の出る野菜作りに励んでいます。一つ一つ植えた種が芽吹き、野菜たちが成長する喜び、子供を育てる様に愛おしく感じています。
人が集い、心身を癒し、いのちを学ぶ場になればと、「健太いのちの農園」と名付けました。
その農園には、樹齢60年、10m程にそびえる巨大な月桂樹の木があります。これまでの私達を見守り続けてくれました。
健太のいのちが宿る、勝利と栄光のシンボル月桂樹。その月桂樹(ローリエ)の葉一枚一枚は、いのちのローリエとして震災を未来に、命の大切さを伝えていくと信じています。
健太のいのちのシンボルとして多くの皆様の手に届き、ローリエの輪が広がることを願っています。
専修大学、石巻専修大学の皆さん、今後どんなに最悪な事が起きても、それぞれの命を守ってください。息子健太からのいのちのバトンを受け取ってください!
農園には、震災を伝える写真パネルが展示されたコミニュティースペースも隣接されています。
眩しい緑と元気な野菜、高らかに響く田んぼのかえるたちの合唱、全ての命が輝いています。自然のエネルギーに元気をもらえますよ。
是非、健太に会いに来てください。
引用: https://www.senshu-u.ac.jp/ishinomaki/news/nid00008457.html (石巻専修大学)