2024年02月26日世話人メッセージ 北見法律事務所 弁護士 北見 淑之
弁護士として、田村さんご夫妻の裁判を準備から約3年間担当しました。この裁判では、自然災害時にも企業は安全配慮義務を免れることはできないこと、想定されている以上の津波が実際にやって来ること、それゆえ、今後の災害に際しては、企業は、想定外のことが起き得ることを念頭に十分な対策を練らなければならないことなどが明確になりまたが、最終的に、企業に法的責任を認めさせることはできませんでした。
もちろん、田村さんご夫妻は、裁判中も積極的に裁判に向きあい、街頭宣伝など精一杯活動していたのですが、私が驚いたのは、むしろ裁判が終わってからのお二人の活躍です。
田村さんご夫妻は、裁判後、意気消沈するどころか、このままでは再び災害が起きた際、また多くの犠牲が出かねないとの危機感から、企業防災において、人命第一で考えるべきことを広める活動を開始したのです。この法人の設立もそうした活動の一環であり、その活動は、毎年広まりを見せ、私も、田村さんご夫妻の活躍をマスコミを通じて知ることも増えていきました。
私自身、弁護士として裁判に関わった期間よりも、田村さんご夫妻のサポーターとして応援している期間の方がずっと長くなりました。引き続き、田村さんご夫妻の応援を継続していくつもりです。
今後も、田村さんご夫妻の活動を通じ、自然災害に際しては、人命第一であるということがさらに広まっていくことを祈念しております。