2017年11月21日【朝日新聞デジタル】大阪)防災意識高めて 震災遺族が堺で「いのちの授業」

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スクリーンに息子の健太さんの写真を映しながら語る田村孝行さん=堺市中区、矢木隆晴撮影

東日本大震災の月命日の11日、津波で息子を亡くした田村孝行さん(57)=宮城県大崎市=が、堺市中区の市立深井西小学校で講演会「いのちの授業」を開いた。5、6年生約120人と保護者に、「もっと生きたかった命がある。全力で生きて欲しい」と語りかけた。

長男の健太さん(当時25)は七十七(しちじゅうしち)銀行の行員で、震災直後に宮城県女川町の支店屋上に逃れたが、津波に襲われた。12人が亡くなり、8人が行方不明のまま。震災の記憶を伝えるため、田村さんは毎週末、妻の弘美さんとともに女川町語り部活動を続けている。防災士の資格も取得し、全国で講演している。

健太さんのネクタイをつけて登壇した田村さんは、江戸時代、1854年の地震で堺市にも津波の被害があったことを紹介。「日本は災害の多い国。他人事ではなく、明日は我が身と思って行動して欲しい」

今回の講演会は、田村さんと女川町で交流のあった保護者の佐藤正一さん(42)の呼びかけがきっかけで実現。佐藤さんの長男、誉斗(たかと)君(11)は「家族で話して避難場所を決めたり、非常食を用意したり準備しておきたいです」と話していた。(矢木隆晴)

引用:https://www.asahi.com/articles/ASKCC4WTWKCCPQIP004.html (朝日新聞デジタル)

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