2021年02月15日世話人メッセージ 防災・危機管理ジャーナリスト 株式会社まちづくり計画研究所所長 技術士・防災士  渡辺 実

 

一般社団法人「健太いのちの教室」設立、おめでとうございます。

 

東日本大震災から10年ですね。田村ご夫妻と初めて七十七銀行女川支店の被災現場でお逢いしてから、もう10年か、と感慨無量です。

この10年間続けられている、田村ご夫妻の事故原因の解明と七十七銀行の企業責任を問う裁判、そして二度と同じことを起こしてはいけない、さらにいのちの大切さを伝える活動に頭が下がります。

 

あの日、七十七銀行女川支店で起きたことは、人命よりも経済合理性が優先されるのか、企業管理下の従業員に対する安全配慮義務の重み、企業の防災意識や危機管理の重要性などを我々に突き付けられました。

不本意な裁判のあと、仙台市内で田村孝行さんとお逢いしたとき「女川支店のあの場所に立つと、目の前には息子健太でも1分で避難できる高台(堀切山)があったのに、ここへ避難していれば健太もみんなも助かったはず。なぜあの時に、この選択ができなかったのか。悔しいんです」とお話されていたことが忘れられません。

 

東日本大震災後、企業のBCPや防災計画に係る機会が多くありました。その際には七十七銀行女川支店で起きた出来事を伝え、企業の安全配慮義務の重要性、企業の防災意識と対応をリアルに検討することの必要性を伝えることを肝に銘じています。

 

いまコロナ禍の感染症との闘い一色になっていますが、南海トラフ巨大津波地震や北海道東部大地震、首都直下地震など巨大地震の足音が迫ってきています。東日本大震災10年を機に「健太いのちの教室」の活動がますます求められています。

微力ですが、お手伝いさせていただきます。

そして、いのちを第一に大切にする安全な社会づくりを忘れずに・・・!

 

2021年2月12日

 

防災・危機管理ジャーナリスト

株式会社まちづくり計画研究所所長

技術士・防災士  渡辺 実

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