2023年01月19日世話人メッセージ 福島大学 地域未来デザインセンター 客員准教授 博士(地理学)髙木 亨(たかぎ あきら)
平凡な日常、これがどれほど貴重なことなのか、歳を重ね災害等を経験しその思いが増しています。2012年から4年間、福島で原子力災害の理不尽さへの抗いとそこからの復興支援に取り組む中で、水俣病事件や戦前からの満蒙開拓団等の理不尽さや人々の日常の分断について考えてきました。また2016年4月には赴任先の熊本で熊本地震に遭遇、大きな被害はなかったですが被災者となりつつ、勤務先の学生と一緒に被災地での災害ボランティアを経験しました。
そんな2016年秋、金沢大学の井出明先生のご紹介で田村孝行さん・田村弘美さんご夫妻と知り合い、七十七銀行女川支店をめぐる出来事に改めて関心を寄せることとなりました。田村さんご夫妻の活動は、大きな刺激となり、私に影響を与えてくれました。熊本地震後のボランティアを経験した学生たちを連れて、田村さんの元を訪れ、現地で話を伺い、大崎で杯を重ねたこともありました。拘束時間中(勤務中)の災害から命をどのように守るのかという新たな課題に挑み、命の大切さを訴えていくお二人に出会えたことは、これから社会に出る学生たちにとってかけがえのない経験になったと思います。
この春から新たな場所で学生教育に携わる予定ですが、学生を連れて再び女川を訪れ、お二人からお話を伺い、日常の大切さ、災害発生時の身の守り方、生きると言うことの大切さを学んでいきたいと思います。今後もお二人の活動、健太いのちの教室を支援していきますので、よろしくお願いいたします。
最後になりますが、田村孝行さん・田村弘美さん、そして健太いのちの教室関係者の皆様に感謝申し上げつつ、世話人メッセージといたします。